滋賀県は人口約140万人に対し、20歳未満人口は約26万人、出生数は1万人超と、全国の中でも子どもの多い県です。様々な子どものメンタルヘルスに取り組むために、2019年に精神科、小児科だけではなく一般家庭医も参加する「滋賀子どものこころの診療ネットワーク」が設立されました。「滋賀子どものこころの診療ネットワーク」を中心に滋賀医科大学の協力のもと、2022年度末に児童思春期精神科専門病棟を開設予定の琵琶湖病院を基幹施設として、「滋賀子どものこころ専門医研修施設群」を設立し専門医の育成に取り組みます。
研修施設群の特徴
研修施設群の名称 | 滋賀子どものこころ専門医研修施設群 | |
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研修統括責任者 | 氏名 | 稲垣貴彦 |
所属 | 医療法人明和会琵琶湖病院 | |
担当者 | 氏名 | 稲垣貴彦 |
所属 | 医療法人明和会琵琶湖病院 | |
住所 | 〒520-0113 滋賀県大津市坂本1-8-5 |
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TEL | 077-579-2023 | |
FAX | 077-579-5487 | |
inagaki@biwako.or.jp | ||
募集定員 | 3名 | |
募集・採用方法 | 書類の送付先 | inagaki@biwako.or.jp |
応募方法 | メールにて必要書類を受付 | |
締め切り | 2023年1月31日 | |
問い合わせ先 | 研修統括責任者 稲垣貴彦 inagaki@biwako.or.jp | |
採用判定方法 | 履歴書、小論文と面接を もとに所属指導医で合議 |
2023年5月に児童思春期精神科専門病棟の開設を予定しています。単科精神科であるため身体的マネージメントは不得手ですが、それ以外であれば最重症の精神疾患にも対応しています。
新患は週に4人受け入れており、現在は予約待ちが3か月を越していますが、滋賀子どもの心の診療ネットワークと連携しながら、子どもたちに負荷がかからないよう工夫しています。このため、学校・福祉に限らず地域の医療機関との連携も厚いのが特徴の一つになっています。
また、指導医である稲垣の専門は精神科診断学です。わかりにくい精神科診断の成り立ちを学び、社会的要因を含めながら的確に治療方針を導き出す道筋について研修していただくことができます。
大人の精神科臨床に対しても取り組むことを躊躇しません。このため親の不調が大きく影響する子どもの対応など、子どもだけでなく家族全体をとらえた臨床を展開しています。
氏名 | 阪上 由子 |
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役職 | 特任准教授 |
所属科 | 小児科 |
社会貢献 |
滋賀県発達障碍者支援地域協議会 委員 守山市いじめ問題調査委員会 委員 守山市子どもの育ち推進会議 委員(アドバイザー) 守山市発達支援システム庁内推進会議 オブザーバー 愛荘町就学支援委員会 委員 甲良町就学支援委員会 委員 |
常勤医師3名(子どものこころ専門医1名、小児科専門医2名)、非常勤公認心理士2名のスタッフで神経発達症、心身症、精神疾患の診療だけでなく、血液腫瘍、内分泌・代謝、神経、腎、新生児等のサブスペシャリテイ領域の専門医の依頼で、当事者の病態理解の促進、治療意欲の維持や保護者の障害受容の促し等を目的としたリエゾン診療を担っています。また特に血液腫瘍疾患においては終末期ケアも含めた、包括的な医療の一端を担っています。
児童虐待については児童相談所、子ども家庭相談室や児童養護施設等との連携に加え、要保護児童地域対策協議会への参加を通して、不適切な養育環境が発達に及ぼす影響のアセスメント、それに基づく医療的介入を実施しています。不登校や非行・自傷行為を認める児童生徒については発達支援室や教育相談機関とも連携し、アセスメント、医療的介入、関係機関への提言も行っております。当院へは教育相談・発達支援機関からの紹介が多く、これらの機関と連携しながら診療にあたっています。各種心理(発達検査)、画像検査、脳波などの神経生理学的検査も必要に応じ、適宜実施しています。
治療は薬物治療と各種心理療法(認知行動療法、応用行動分析、ソーシャルスキルトレーニング等)を併用し、主に外来診療にて対応しています。
院内精神科との合同症例検討会を定期的に開催しており、統合失調症等の精神病理性の高い疾患が疑われるケースにおける適切なアセスメントの仕方や医療的介入方法(移行時期やその方法等を含む)についてスーパーバイズを受けることも可能です。
氏名 | 宇野 正章 |
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役職 | 理事長 |
所属科 | 小児科 |
社会貢献 |
大阪体育大学教育学部客員教授 滋賀県教育委員会 特別支援教育支援委員会 委員 滋賀県不登校対策研究会議 委員 |
氏名 | 和田 志乃 |
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役職 | 医師 |
所属科 | 小児科 |
標榜科は小児科・精神科です。 対象疾患は、神経発達症や精神疾患(身体症状症、不安症、うつなど)だけでなく身体疾患も含め小児科全般の外来診療を行っています。診療スタッフは、医師2名(子どものこころ専門医常勤1名 小児科専門医常勤1名)、公認心理士5名 、特別支援教育士4名およびソーシャルワーカー1名で包括的な診療をこころがけています。
子どものこころの診療の形態としては、教育機関や保健センターからの紹介が多く、機関間連携とガイドラインに準拠した診療を心がけています。検査は、血液生化学的検査以外に、各種心理(発達)検査、脳波・聴力・視機能検査などの神経生理学的検査なども必要に応じ施行可能です。治療は、薬物療法、ペアレントトレーニングなど行動療法を中心とした心理社会的治療を外来診療として行っています。神経発達症には、発達論的アプローチにインリアルアプローチに基づいたコミュニケーション指導、構音指導や視機能トレーニング等も行っています。
新患数は多いもののトリアージ的なケースが多く、環境調整などの心理社会的治療は教育機関などの関係機関と役割分担し、入院が必要なケースは琵琶湖病院などの児童思春期の入院施設に紹介しています。
氏名 | 眞田 陸 |
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役職 | 滋賀医科大学精神科助教・外来医長 |
所属科 | 精神科 |
社会貢献 |
滋賀県精神神経科医会 理事
滋賀県立学校いじめ問題調査委員会 委員
長浜市教育委員会「学校支援チーム」委員
IACAPAPテキストブック翻訳委員会 委員・会計担当
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大学病院である当院は、専攻医の学習意欲を高めかつ満足させるノウハウを持っています。様々な教育段階の医師がおり互いに切磋琢磨する機会があり、クルズスや論文抄読会などの多彩な学習機会を提供しています。また、チーム医療実践のための素養を身につけていただくこともできます。
多種多様な職種がおり多職種の意見を踏まえた臨床指導が可能です。小児科との連携においては、定期的に精神科医、小児科医、心理士の合同カンファレンスを開催しており、各科の強みを生かして積極的に症例検討を行っています。また各種身体科と連携を密にしていますので、身体症状を訴えて来院する不定愁訴や心身症の患者、身体合併症を伴う精神疾患への対応は得意なところです。例えばBMI13未満の摂食障害は県全域から入院要請を受けております。
総合病院ならではの資源の豊富さを武器に、専攻医の皆さんのお役に立てるよう専攻医と指導医で共に頑張っていきたいと思います。
順次掲載していきます。